Rails専門のクラウドソーシングを辞めた理由とこれから

クラウドソーシング

最近Peingという匿名質問サービスを使いはじめたんですが、そこに以下のような質問が来ました。

質問に回答するにはTwitterだけじゃ足りなそうだし、社内のメンバーには辞めた理由を全体会議で説明したんですが、自分の備忘録的にも残しておきたかったので、ブログで書いてみます。

※社内で話した内容の抜粋「StartupLaboが僕たちに教えてくれたこと

なぜ作ったか

今年の2月にスタテクで運営していた完全時給制のRuby on Rails専門クラウドソーシング「StartupLabo」を閉鎖しました。創業期に作ってからだいたい2年くらい運営したと思います。なぜStartupLaboを作ろうと思ったかというと、元々フリーランスの頃にクラウドソーシングを使ってみたいと思ったんですが、クラウドソーシングに出ている案件ってリテラシーの低いクライアントさんとフリーランスのエンジニアを直接マッチングさせるので、お互いの期待値の乖離が大きくアンマッチが起こりトラブルになった話をよく聞いてたんですね。であれば僕が間に入ってクライアントさんとの折衝と開発タスク化、最終品質の担保を行えば回るんじゃないかと思い、クラウドワークスさんで瑕疵担保のない時給制で募集をかけて案件をいくつか回していました。

※ その時やっていたクラウドソーシングを使った開発方法「クラウドソーシングの問題点と正しい使い方

その後スタートアップに入ってエンジニアが僕1人だった時もクラウドソーシングを使って開発を順調に回せていたこともあり、実際起業して何かサービスをやりたいなと思った時に考えたのが「StartupLabo」です。

スタテクのミッション「起業家に機会を。エンジニアに自由を。」にあるように、エンジニアをはじめとして自由な働き方を作っていきたいというのもあるんですが、正社員が当たり前の日本において、いきなりフリーランスになろうぜみたいな極端なところからはじめるより、まずは空き時間に副業からはじめられる働き方の変化を作りたかったという理由もあります。

辞めた理由

今ではメインの事業となる月額制の受託開発も、元々はStartupLaboの検証としてはじめました。初期に1人ではじめた会社もStartupLaboのローンチを機にメンバーが集まり、お仕事もいただけるようになりました。StartupLabo自体も最初は知り合いに声をかけて入ってもらったんですが、ソーシャルや口コミだけでどんどんジョインしてくれる人が増えていき、クラウドソーシングを使って開発を進める受託開発会社の形が出来ました。

1年くらいはその形で進めていて、StartupLabo自体の開発も進めてはいたんですが、色々な問題点がどんどん増えてきて、そもそもビジネスモデルとして違うなと感じた為、閉鎖することにしました。ちなみにその時のエンジニアの登録数は約600名ほどになっていました。

ここで改めてその問題点を書き出してみたいと思います(質問の回答になるかな?)

ディレクションコストの高さ

最初にお伝えしたようにStartupLaboの価値は間に弊社が入ってディレクションを行うというものです。MVPを作るようなサービスの立ち上げ時期はものすごく助かるのですが、案件が継続していく間に徐々に仕様が複雑になり、タスクの切り出しを行うコスト(ISSUEの説明コスト)やレビューコストがどんどん高くなっていきます。とはいえ納期は変わらないので社内のエンジニアで巻き取ったほうが早くなってしまい、最終的に切り出せるタスクがなくなってしまっていました。

開発の難易度やセキュリティ

初期に依頼していただいたクライアントさんの仕様が複雑になるとともに、新規で弊社に依頼されるクライアントさんも大手さんが増えてきたので、リリース初期から高いクオリティのものが必要になったり、セキュリティ要件上クラウドソーシングにそもそも出せない案件も増えてきました。ここはクラウドソーシングというより弊社の変化ですね。

再現性

StartupLaboの仕組みを外部の開発会社さんやスタートアップのCTOに提供しようと考えていましたが、タスク切り出しなどの開発をまわす方法がかなり人に依存してしまうので、仕組みだけ提供しても価値提供が難しいと感じるようになりました。

プラットフォームにとしての課題

外部に公開した場合プラットフォームになると思うんですが、相場的にもクラウドソーシングの手数料はクレカ手数料など引くとかなり少額になりますし(その場合おそらく調達しないと難しい)、マッチング以上の価値が提供出来ない以上あえてうちがやる理由もないかなと思ったところもあります。

これから

StartupLaboは閉鎖しましたが、StartupLaboから得られたことはいっぱいありますし、StartupLaboで作りたかった世界の実現には引き続き形を変えてチャレンジしていきたいと思っています。

働き方の変化という意味で弊社では出社自由制度の導入をはじめとして、正社員でも自由に働ける形を実現しつつありますし、社員がいっぱい集まってきてくれたおかげで内部で色々な検証が出来るようになりました。

これからはStartupLaboで得られた価値提供の方法をマイクロサービスのように個別サービスで切り出していき、社内で検証を進めてから徐々に外部に公開していく予定です。

StartupLaboでは実現出来なかった世界をこれから徐々に作っていけたらなと思ってます。

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